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インターネットと法律いろは[第4回]
景品表示法と優良誤認表示

 景品表示法においては、商品または役務の内容について「実際のものより著しく優良であると示す表示」と、「事実に相違して当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示」は、いわゆる優良誤認表示として禁止される不当表示となります(景品表示法第4条1項1号)。

 企業は自社の商品や役務を売り込むために広告をするのですから、自社の商品等が消費者から選ばれるように工夫して表示をするのであり、多少の誇張が含まれるのは当然であり、そのようなものまでがすべて禁止されるものではありません。

 景品表示法は、一般消費者を保護するための法律ですから、その判断基準は、一般消費者の誤認を招き、一般消費者が「自主的かつ合理的な選択を阻害されたか否か」という観点で判断されるのであり、事業者側の認識や業界の慣行等に判断されるのでは無いことに注意する必要があります。

 優良誤認表示に該当すると判断された事例には以下のようなものがあります。

 アブラガニをタラバガニであるかのように表示した、成型肉を生肉であるかのように表示した、リサイクル材料を多く使用しているかのように表示しているにもかかわらず使用はわずかであった、公的な資格でないにもかかわらずそうであるかのように表示した、食事制限や運動を伴うことなく容易に痩身効果が得られるかのような表示を行った事例等があります。

 他方、「開運」「ラッキー」のよう神秘的内容、「スカッとする。」というような主観的内容、「健康増進」という抽象的内容については、この程度の内容単独であるならば一般消費者が誤認する可能性も低く、不当表示と該当される可能性は低いです。

 結論としては、ケースバイケースの個別的な判断にはなりますが、明らかに事実と異なる表示をしないこと、虚偽とまではいえなくても消費者に重大な誤解を招くような表示をしないことを心がければ、消費者の購入意欲を増進させつつも重大な誤認を招かない程度のセールス文句、誇張表現は許されるといえます。
 
※「景品表示法」については、消費者庁のホームページをご確認ください。
 

コラムニスト:福田 浩久 氏プロフィール

福田 浩久
福田 浩久
[Hirohisa Fukuda]
1967年東京都練馬区生まれ。
1998年に東京で弁護士登録、2000年に長崎県に登録換え、2001年に独立開業した。
現在は、長崎市内において、「福田・木下法律事務所」所長として弁護士5名体制で、企業や個人の依頼人の方の各種法的問題に精力的に取り組んでいる。
弁護士としてのモットーは、「お客様の立場に立ち、圧倒的なスピードで依頼に取り組む」。家族は妻と2男。趣味は旅行・ゴルフなど。

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